Koh Takeuchi

Projects “presto - sakigake”

Conference
2022.03.27

因果推論を用いた群衆移動の誘導における介入効果推定

群衆移動において誘導によって人流がどのように変化するかを効果推定する深層学習技術を提案した。国立新劇場からの避難誘導を再現するマルチエージェントシミュレータを用いて少数のバイアスされたデータを生成し、提案手法によって誘導効果の高精度な推定を実現した。本研究は、人工知能のマルチエージェントシステム分野の国際会議AAMAS2021 (International Conference on Autonomous Agents and Multiagent Systems) に採択されました。また、「因果推論を用いた群衆移動の誘導における介入効果推定」の発表により、2021年度(第35回)人工知能学会全国大会優秀賞を受賞しました。

概要: 群衆に対する移動誘導は,突発的な事故や道路遮断で生じる交通渋滞の解消や,災害時に混雑した建物などの危険箇所からの迅速な避難などの分野で注目を集める問題である.ある状況下において誘導はどのような群衆移動を起こすか?この質問に解答するシステムが実現されれば,誘導の意思決定における補助が可能になると考えられる.本研究では,群衆移動誘導におけるwhat-if問題を,少数かつ選択バイアスを持つデータから誘導における因果効果推定を行う問題として定式化する.さらにバイアスを補正した高精度な予測を行うために,空間データ解析と因果推論の分野で広く研究されている深層表現学習を用いた空間畳み込み反事実回帰(SC-CFR)を提案する.介入効果推定の性能評価には,すべての誘導を実行した場合の群衆移動データが必要であるが,そのようなデータは存在しない.そこで,高精度なマルチエージェントシミュレータを用いて,新国立劇場での避難シナリオにおける避難データを生成した.このデータを用いた実験によって,提案手法によって介入効果の推定誤差が既存法と比較して最大56%削減されたことを示す.

 

[proceedings: https://dl.acm.org/doi/10.5555/3463952.3464101]
[arXiv: https://arxiv.org/abs/2102.03980]
[code: https://github.com/koh-t/SC-CFR]
[JSAI2021: https://www.jstage.jst.go.jp/article/pjsai/JSAI2021/0/JSAI2021_2I3GS5b03/_article/-char/ja/]

 

@inproceedings{takeuchi2021grab,
  title={Grab the Reins of Crowds: Estimating the Effects of Crowd Movement Guidance Using Causal Inference},
  author={Takeuchi, Koh and Nishida, Ryo and Kashima, Hisashi and Onishi, Masaki},
  booktitle={Proceedings of the 20th International Conference on Autonomous Agents and MultiAgent Systems},
  pages={1290–1298},
  year={2021}
}

群衆移動誘導の例: ある劇場からの避難誘導.移動中の避難者と停止中の避難者をそれぞれ緑と赤色のドットで示す.

空間畳み込み反事実回帰 (SC-CFR) のモデル構造


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