【プレスリリース】
ビッグデータを利用したディープラーニング人口知能技術による
農業クラウドIoTシステムの開発について

2015年8月10日

京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻
知能情報ソフトウェア講座 ソフトウェア基礎論分野

京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻知能情報ソフトウェア講座ソフトウェア基礎論分野は、人口知能とIoTによるクラウド農業支援システムを開発したことを発表いたします。本システムは去る8月8日に開催された京都大学オープンキャンパスにおいて一般公開されました。

昨今、ビッグデータの潮流や、ディープラーニングをはじめとする人口知能技術の飛躍的進歩、クラウドコンピューティングによる大規模計算資源の仮想化、膨大なセンサーデータを生み出すIoTへの注目の高まりや、ビッグデータの潮流など、ICT分野における目覚しい技術発展とともに、これまでICT技術が十分に活用されてこなかった分野におけるこれらの技術の重要性が超加速度的に高まっています。

今回当研究室で開発されたビッグデータを利用したディープラーニング人口知能技術による農業クラウドIoTシステム(図1)では、農作物をモニタリングするハイスループットセンシングネットワークカメラから送信されるビッグデータストリームをクラウド上で処理し、ディープラーニング人口知能などによってリアルタイムイベント検出を行い、エグゼクティブAIダッシュボードを通じたオンデマンドレポーティングを提供するシステムとなっており、人口知能を搭載したIoTシステムによる物理的クラウドソーシングによるアドホック農業支援のend-to-endでの実現を可能としています(図2)。

このシステムは、同じく当研究室で秘密裏に開発された独自のディープラーニングフレームワーク「深ニャン(DeeepCAT)」(※)を利用して構築されており、当研究室では今後、さらに大規模な農場での検証を進めるとともに、深ニャンのオープン化による様々な業種でのオープンイノベーション推進を通じて農業分野におけるシンギュラリティの実現を目指します。
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図1. システム概念図

 


図2. 人口知能を搭載したIoTシステムによる物理的クラウドソーシングによるアドホック農業支援システムのデモンストレーション動画。
不審人物がおもむろ作物に水遣りをしたのち立去る様が自動検出されている。

 

※: 「深ニャン(DeeepCAT)」について
深ニャン(DeeepCAT)は、エクストリーム学習(ELM)理論(Huang et al., 2006) に基づく独自のGIGOメカニズムを利用した最新型の超光速ディープラーニングフレームワークです。
「10段かそこらで機械が芸術を理解するのだから、もっと積めばやる気くらい出るだろう」という最新の学説に基づき、2015年である本年にちなんで縁起の良い2015段の超深層GIGOネットワーク構造とすることで、これまでのディープラーニング技術では実現不可能であったネットワークの圧倒的やる気を引き出します。また、2015段という段数はこれまでの事例に照らし合わせても最も深いものであることは明白であり、我々はこれを「世界で最も深いニューラルネットワーク」としてモンドセレクション登録申請を行うことも予定しています。

[Huang et al., 2006] Huang, Guang-Bin, Qin-Yu Zhu, and Chee-Kheong Siew. “Extreme learning machine: theory and applications.” Neurocomputing 70.1 (2006): 489-501.